23.化膿性脊椎炎

5月18日、今度は熱が出て(40度位)、以前の腰痛とは異なり、腰の真ん中辺りが激痛となりました。ベットの上で少し動くだけで激痛が走ります。今までも色々な痛みに耐えてきましたが、今回は別格です。体の中心であり、もはや少しも動けません。尋常ではない痛みなのです。


この日は主治医が学会のため、代りの医師に見てもらいました。そして、検査のためレントゲンを取らなければならないとのことでした。どの様にして移動し、検査台に乗るかですが、痛み止めに十二指腸潰瘍の件からロキソニンは使えません。もはや、モルヒネくらいしか無いとの話もあり、ビビりました。結局、点滴による痛み止めをしてすぐに実施できるよう調整してすることになりました。痛み止めをしてもかなりの苦痛を伴います。それでもなんとか完了することができました。結果は化膿性脊椎炎との診断でした。最初、聞いたときはわからなかったのですが、後で調べたら、これが相当にやばいものでした。下半身不随になってしまうことがかなりの例あるらしいのです。


化膿性脊椎炎は脊椎に細菌が感染して発症します。健康な人であれば通常、脊椎まで細菌が入りこむことはありません。ところが、免疫力が低下している時に起こりやすくなります。つまり、治療のために大量のステロイドを使用したため、免疫力が低下して脊椎まで細菌が入り込んだものと考えることができます。


治療は原因菌に応じた抗生剤を投与することが基本です。ただし、色々な方法で調べても原因菌は分からないことの方が多いとのことです。そして、通常一ヶ月以上点滴を行い、状況を見て内服薬に切り替えます。点滴で効果が薄い場合、手術を行います。脊椎を切り開いて膿んだ病巣を掻き出し取り除いたあとに患部を洗浄して細菌を完全に除去します。ステロイドを服用していると、手術自体が難しいものとなります。

私の場合、原因菌も分かり、点滴も効果があったため、助かりました。原因菌は普通に皮膚についている菌で、血液検査でわかりました。

診断の翌日から約1ヶ月半に渡る点滴が始まりました。1日3回連日連夜です。


今回の入院で、大きな出来事の3回めとなります。前2回の時は、こんなこともあるよなと、思っていましたが、さすが今回は凹みました。主治医からは気持ちを切らさないことが大事と言われ、頑張ろうと言う気持ちになってきました。


車椅子に移動することもできないため、トイレにも行けません。人生初の尿瓶のお世話になることになりました。最初、使い方が分からず、看護師がヒョイと摘んでセットしてくれました。手慣れたものです。セット後側にいられると緊張で出ないので、用が済むとナースコールで呼び、捨ててきてもらいます。しかし、数日後、小便自体出なくなってしまいました。


仕方がないので、これも人生初の尿道に管を通すという方法を取ることにしました。覚悟を決めてやってもらいましたが、思っていたよりは痛くありませんでした。最後のところを通過する時に気持ち悪い通り方をします。慣れている看護師がやってくれましたので良かったのかもしれません。仕組みは膀胱の中で風船を膨らませて抜けないようにしているのだそうです。

これでトイレ問題はすごく楽になりました。尿意はもよおすのですが、少しするとスッと消えます。トイレ行かなくちゃと思うのですが、あっいいんだと。変な感じです。

尿管を通すと感染しやすくなるため、1日置き位に洗う必要があります。特に管が入っている先のところを中心に。この作業、新人が担当させられることが多いようです。自分の娘より若い看護師に洗ってもらい、少し恥ずかしいです。でも、大丈夫です。体がすっかり弱りきっていますので勝手に元気になったりと言う事はありません。

そして、尿道に管を通したままでも、大抵のことができます。風呂にも入れますし、リハビリもできます。




気分はいつもハットトリック ~皮膚筋炎闘病記~

50を過ぎてこんな人生が待っていようとは、 普通のサラリーマン生活を送り、定年も見えてきた50代半ば、指定難病である「皮膚筋炎」になってしまいました。まさか自分がいわゆる「難病」になるとは夢にも思っていませんでした。 この先どの様にこの難病と付き合っていくか、貴重だった時間が余ってしまっている今、闘病記録の整理と、同類の病の人に何かの参考になればと思い闘病記を書いてみることにしました。

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