11.治療効果が現れる

治療効果が現れないため、癌が潜んでいないか再度調べることになりました。癌の検査は一通り行ったものの、ひょっとしたらどこかに隠れているかもと。癌が潜んでいると治療効果が現れにくいことが知られているため、さらに発見できる可能性のあるPET-CTという検査を実施することとなりました。


PET-CTとは、多くの腫瘍細胞は正常の細胞に比べて活動性が高く、ブドウ糖を多く取り込むという性質を利用して、ブドウ糖にごく微量の放射線を出す物質をくっつけた放射性薬剤を注射し、体内に集まった放射性薬剤からの放射線をPETカメラでとらえて画像化するという検査で、がんの大きさや場所の特定などに利用されます。


しかし、この病院にはPET-CTの設備が無いため、検査ができる病院へ行くことになります。入院中の患者が他の医療機関を受診することはできないために、一時退院することが必要です。検査前日に退院し、検査を行った上でその当日に再入院するという、これは手続きだけの問題なのですが、そうするしかないようです。

検査結果は数日後、病院から病院へ転送されてきて、特に異常は無いとの結果でした。


そして、ステロイドだけでは効果が認められないため、免疫グロブリン大量静注療法を実施することに。

免疫グロブリン大量静注療法 とは、血液中に含まれるγグロブリン(免疫グロブリン)という、たんぱく質を成分とする薬を点滴で5日間投与し、自己免疫力を抑えて過剰にひきおこされる炎症を鎮めます。 投与される製剤は1,000人を超える献血者の血漿から作られ、1回の治療が100万円程度となる極めて高額な治療です。筋炎においては、2,010年にステロイドでは効果不十分な場合に保険適用が認めらました。


私は、この治療に救われることになります。

入院中のステロイドとCPK値をグラフにして見ました。




免疫グロブリン大量静注療法の実施後、明らかにCPK値が下っているのが分かると思います。


回復傾向が明らかとなったところでリハビリも始まりました。この頃のリハビリは筋力を回復させるというよりは、現状の状態を確認し、これ以上低下することを防ぎ、かつ退院後、自宅で日常生活を送るための最低限できないと困ることを行うというのが目的だった様に思います。


この病院を退院後に体力回復のためのリハビリを行ってくれる病院の紹介もいただきましたが、次の理由から断ることにしました。

・家族に負担がかかる

 入院が継続するため家族の負担も継続することになります。病院の場所も今の病院より遠くです。

・効果に疑問

 入院中に感じた感覚として、リハビリをすることより筋力や、体力が本当に回復するのか。筋炎で行って良いトレーニング量は、翌日に疲れが残らない程度と言われています。自宅で生活することと、どれ程異なるのか疑問でした。

・医療費が自腹となる

 一回の入院保険で支払われる期日(私の入っていた保険の場合124日)をとうに過ぎているため、今後の入院費は全て自腹となる。


気分はいつもハットトリック ~皮膚筋炎闘病記~

50を過ぎてこんな人生が待っていようとは、 普通のサラリーマン生活を送り、定年も見えてきた50代半ば、指定難病である「皮膚筋炎」になってしまいました。まさか自分がいわゆる「難病」になるとは夢にも思っていませんでした。 この先どの様にこの難病と付き合っていくか、貴重だった時間が余ってしまっている今、闘病記録の整理と、同類の病の人に何かの参考になればと思い闘病記を書いてみることにしました。

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