10.ステロイド治療始まる

皮膚筋炎と合併し易いものに癌と間質性肺炎があります。どちらも予後を大きく左右する可能性がありますが、幸いなことにどちらも該当しませんでした。


一通りの検査が終了し、ステロイドによる治療に入ることになりました。

8月30日からステロイド(プレドニン)1日60mg(体重✕1mgが目安)から始まりました。ステロイドは筋炎治療における第一選択薬です。小さい粒なのにかなり苦いです。免疫力の抑制と炎症の抑制というふたつの効果があります。通常、西洋医学の薬は一つの効果しかありません。ステロイドはふたつの効果が強力です。


効果もすごいが、副作用もすごい。魔法の薬とも、悪魔の薬とも言われたりします。

主な副作用を。

感染症、発熱、けん怠感など。副腎不全、糖尿病、食欲増進。消化管潰瘍・胃腸出血。膵炎、吐き気。抑うつ、憂うつ、不眠。骨粗鬆症。緑内障、白内障など。

副作用のデパートとも言われる訳が分かります。そして、時間の経過と共に体で直に感じることとなります。


飲んですぐに(数時間程度で)体が軽くなりました。それまでずっと倦怠感がありましたが嘘のように治まりました。

しかし、筋炎の活動指標を示す値として用いられるCPK(CK)の値が中々下がりません。

CPK(クレアチンキナーゼ)は筋肉に多量に存在する酵素で、筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。運動することだけでも多少上がります。基準値(男性60~270)

ステロイド服用前3,800位だったのが1週間で2,300位に。しかし、これからが下がりません。3週間後も2,400位で、ステロイドパルス療法を行うことになりました。


ステロイドパルス療法とは、1g(服用薬とは単位が違いますよ)のステロイドを点滴により3日連続して行われます。これだけ大量のステロイド薬を使うと、それだけ副作用も大きそうですが、 実際のところは副作用はほとんどあらわれず、短期間の投与だけなら大量でも副作用は少ないことがわかっています。

9月20日から3日間ステロイドパルス療法が行われました。しかし、これでも下がらず、9月25日の値は2,500位でした。


この頃の筋力はと言うと、歩くには松葉杖がないとかなり不安定、歩ける距離は1km位、腕は自力では肩の高さまでした上げることができませんでした。また、ベットに寝た状態で首を持ち上げることができなかったと記憶しています。


気分はいつもハットトリック ~皮膚筋炎闘病記~

50を過ぎてこんな人生が待っていようとは、 普通のサラリーマン生活を送り、定年も見えてきた50代半ば、指定難病である「皮膚筋炎」になってしまいました。まさか自分がいわゆる「難病」になるとは夢にも思っていませんでした。 この先どの様にこの難病と付き合っていくか、貴重だった時間が余ってしまっている今、闘病記録の整理と、同類の病の人に何かの参考になればと思い闘病記を書いてみることにしました。

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